丸一日かけて千葉県を大回りしてきた。
写真は成田駅で撮ったもの。もともとは京浜東北線を走っていた車両らしい。
私の家に近い場所を通っていて馴染みのあり、北から南へ(南から北か?)都心を突っ切るような路線の車両が、今はそんな喧騒とも遠くかけ離れた千葉県のローカル線を走っているというのは、なんか変な気分になる。
たまたま空いたボックスシートに腰掛け、水垢?で薄汚れた窓ガラス越しにただ流れていく景色をぼうっと眺める。
クセの強い車掌さんのアナウンスが、「次はなるとー」とアナウンス。
えっ、もう知らぬ間に40分も経ったの!?びっくり。無駄な時間を過ごしてしまった。
成東からは東金線という、5駅くらいしかない短いローカル線に乗り換える。
大網(東金線の終点)で上総一ノ宮駅へ向かう別の電車に小走りで乗り換え。
上総一ノ宮からは、京葉線を走る10両編成の電車に乗っていた乗客が、2両の小さなワンマンカーに押し込まれる。
車内は満員。座席は勿論、立つ人も多い。大学生くらいのグループの明るい声と、子供の「座りたい」と親に願う声が車内に響く。
さすがにこんなに混んでいるのはGWのときだけらしい。沿線住民のおじさんは私に、「ロックフェスやってるわけじゃないからね(笑)」と話してくれた。
安房鴨川では長時間停車。
館山でさっきの2両のワンマンカーから4両?6両?の普通電車に乗り継げたものの、それには乗らず。
新宿さざなみという臨時特急電車で一気に新宿まで抜ける。
GW時期ということもあり、座席はほぼ満席。私は指定席を取っていたため座ることはできた。私の隣には空席があったが、途中の蘇我か五井からご老人が着席。錦糸町のあたりまで乗っていった。
海を見ようとA席を取った。
眺めは申し分ないが、西日が眩しくこちらを照らしてくる。
休日は外にあまり出ない私には、房総半島の日差しすら少々強すぎたのかもしれない。
普通電車よりはきれいだがそれでもやはり薄汚れた窓越しに田んぼや海や町並みを眺めると、あっという間に千葉まで来ていた。
新京成が見える。実は乗ったことない鉄道会社。
館山という静かな観光都市から、新宿という世界で一番忙しい駅まで帰ってきた。
乗ってきた新宿さざなみは、方向幕を回送に変えていた。
山手線で東京駅まで戻り、今回の大回り乗車は終了。
切符にはんこを押してもらうときに、駅員に「大回り乗車していました?」と聞かれた。
ルートを説明し、「お疲れ様でした」の言葉とともにはんこを押して貰う。
キセルじゃないことは分かってるとはいえ、JRにとっては嫌がられるであろう対象である大回り乗車を行ってきた身としては、感謝とともになんとなく申し訳なくなってきた。